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志村です。

 こちらはスプリングセメスターが終わり、夏休みということでいくつかの都市デザインの事例などを見てまわりました。今回はその一つ、事例ではないですが、アメリカの都市デザインの転換点となった場所を紹介します。

 場所はヨセミテ国立公園です。夏休みの間は日本から何人かのゲストが来ました。ですのでちょっと休暇ということでヨセミテに行ったのですが、予想をはるかに上回るすばらい場所でした。特に「トンネルビュー」というヨセミテバレーを見通す眺望ポイントからの眺めは、涙がでるほど感動的でした。

 さてヨセミテというと、都市デザインの世界で有名なのが「アワニーホテル」です。1991年に、ここに都市デザイナーのピーター・カルソープやマイケル・コルベットらが集まり「アワニー原則」を発表しました。
 これによって、アメリカの都市デザインの潮流は、ニューアーバニズム、TODといった環境に配慮したものに転換していきました。



 今回は写真ではなく、私のスケッチでアワニーホテルを紹介します。アワニー原則を打ち出した場所にふさわしい、ヨセミテの山と緑に囲まれた美しい場所にあります。建物も素晴らしいものでした。
 ちなみに宿泊料金はとても高く、我々はバーでお茶だけ飲ました。
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志村です。
 5月にセメスター(学期)が終了して、しばらくは夏休みでした。そこでその間には、いくつか都市デザインの事例を見て回りました。
 これから数回にわたって、そのいくつかを紹介したいと思います。

 まずはやはり話題のTOD(Transit Oriented Development)の事例です。前回はサンフランシスコ半島の方を見て回りましたが、今回はEast BayにあるFruitvaleとPleasant Hillの二つを取り上げます。



 まず一つ目の写真がオークランドの南部にあるFruitvaleです。バートの駅があり、その駅前がTODとして開発されました。このあたりはスパニッシュや黒人が多い地区で、市街地の改善が求められている地区でした。そこに駅前の地権者が中心となって、ボトムアップで計画がつくられ実現しました。いろいろと工夫が見られ、アフォーダブル住宅(低家賃住宅)や図書館、児童館といった公共施設も入れられました。構成としては、2階までが主に店舗で、3階以上に住宅が入っています。

 写真にあるとおり、なかなか頑張った開発だと思います。しかしやはり周辺には黒人やスパニッシュが多く住むということで、雰囲気はあまりよくありません。IURDの村上さんが言っていたように「日本と違い、駅前を開発しても、よい店舗、施設は入りづらい。家賃が高くならなく開発のメリットが少ない。アメリカでは公共交通は所得が低い人たちが使うので、駅の近辺はそのような人たちが集まる。」というTOD開発の難しさがよく分かる事例でした。

 次の写真はPleasant Hillで、バークレーからは山を越えた東側にあります。やはりバートの駅のまわりの開発です。
 ここはまだ未完成ですが、工事中の建物の様子を見ていただければ分かるように、大きなTODのプロジェクトです。すでに駐車場などは完成しています。この地区は、ミニシリコンバレーといった感じのオフィスや研究所が多く立地するところで、比較的所得の高い人たちが住んでいます。そのためおそらくきれいな感じのTODができあがることと思います。



 ベイエリアには、他にもたくさんのTODプロジェクトが進行しています。それらはその地区の状況に対応して様々なようです。
 今回報告した二つの事例と、前回(その12)で紹介した事例を見ていただければ分かるとおり、本当にさまざまです。また日本と違って、駅前開発の難しさがあります。そのようなことを本当に実感しました。

志村です。
 UCバークレーは、5月下旬にセメスター(学期)が終わり、夏休みに入ってしまいます。その夏休みに入ってすぐに、Peterに頼んで環境シミュレーションラボを見せてもらいました。(Peterが夏休みに入ってどこかに行ってしまう前にお願いしたわけです。)

 写真の一つ目がそのラボの一部です。これは1980年代につくられたもので、都市模型を製作し、それをシュノーケルカメラでアイレベルから見て、ビジュアルに都市景観、環境をシミュレーションすることを可能にしました。さらに都市模型の建物には、建物の写真をゆがみ補正して貼り付け、それをシュノーケルカメラで見ることによって、将来の都市空間をリアルな映像で体験することができる画期的な装置でした。
 このシミュレーションラボの詳しいことは、「まちづくりデザインゲーム」(学芸出版社、執筆者代表:早稲田大学 佐藤滋先生)の中で、有賀先生(早稲田大学)が書かれています。



 これと同じような仕組みの装置を、早稲田大学の佐藤滋先生らが開発し、早稲田大学都市地域研究所に設置しています。この装置の整備には、私も係わらせていただきました。また同じ原理のポータブルシミュレーション装置を開発し、志村研究室にも設置してあります。

 そのようなことで、このオリジナルのシミュレーション装置は、ぜひ一目見ておきたかったものでした。ですので見た時には結構感激しました。当時としてはすごくオリジナリティのある装置で先進的だった訳ですね。

 模型はサンフランシスコです。ベイブリッジのあたりに新たな超高層計画の建物模型が置かれております。(本当にこれらが建設されるか!というものがいくつかありビックリしました。)



 さらにこの日は、北海道大学の瀬戸口先生が積雪のシミュレーションをした風洞実験装置も見せてもらいました。二つ目の写真がそうです。
 Peterいわく、これは剛(瀬戸口先生)が作った模型だ!ということで、Peterも一緒に写真を撮らせていただきました。瀬戸口先生は、この実験室に何日もこもって実験をされていたそうです。

 これらのシミュレーション装置や実験設備を整備しているUCバークレーは、やはり恵まれた研究環境をもっていると感じました。
志村です。
 今回は、カリフォルニア州の特別選挙について書きます。これは5月19日に行われたのでかなり前ですが、書こうかどうか迷っていて、しかしこの影響がずっと残っているので書くことにしました。



 これはいわゆる直接住民投票で、州財政の安定化を図ったものです。いくつかの事項が一緒に投票されました。
 たとえば、「州の歳出を制限するとともに予算安定化基金を増加する」、「教育資金調達の調整」、「子供サービス基金の保護」、「議員給与カット」などです。
 これらの事項を一緒に採決する訳です。日本では、いくつかの自治体で直接住民投票が行われていますが、極めて限定的です。
 やはりこの4月からVisiting Scholarになっている行政学が専門の伊藤さん(首都大学東京・教授)によると、カリフォルニア州では、法律でいくつかの事項については住民投票にかけることが決まっていることのことです。これほど多くのことを住民投票にかけるのでは、議会の役割はどうなっているのかと思いましたが、ちゃんと議会にはしっかりした役割があるようです。

 またこの選挙で面白いと思ったのは、写真のような選挙事項資料が市民に配られて、そこに各審議事項の意味(結果)について解説されていることです。写真のように日本語もありますし、その他にも10言語以上のものが用意されています。かなりページ数がある資料ですので、市民の高い関心と知識も要求されます。
 それしてもこのような資料の解説は、当然中立な立場で書かれている訳ですが、意図的に解説を操作して、選挙結果を誘導することもできる訳です。ちょっと怖いと思いましたが、伊藤さんによると、しっかりと適正に現状は行われているようです。

 気になる投票結果ですが、歳出を制限する事項は否決されました。その結果、未だにカリフォルニア州の財政は危機的な状況で、日々シュワツルネッガー知事と議会が議論を続けています。
志村です。
 前回、アダルトスクールについてふれたので、そのランチピクニックで行ったRose Garden(バラ公園)について書きます。



 これはバークレー市が保有する公園ですが、市民の手で創られ、また管理させています。公園づくりが着手されたのは1933年で、1937年から誰もが利用できるものになりました。East Bayのバラ愛好家グループが創り上げ、現在もそのコミュニティーメンバーが何百時間ものボランティアで美しいバラを育て管理しています。バークレーヒルの急な斜面にあり、そのデザインには建築家とランドスケープデザイナーがかかわっています。
 5月下旬から6月上旬がバラの見ごろなのですが、とにかくものすごい種類のバラがあり、また綺麗に管理されています。ちょうどこの時期にマザーズデーがあるので、その日にはイベントも行われるようです。

 すぐわきにはテーブルとベンチがあり、我々もそれをつかってランチを食べました。

 日本でも、アドプト(adopt)制度で、市民が管理する公園や、一般に公開される公園が見られるようになってきましたが、戦前からこのような公園が創られ、ずっと綺麗に管理されているのには正直驚きました。


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